朝活読書サロンCollective Intelligence

月二回渋谷で開催している朝活読書サロンCollective Intelligenceに集う本をこよなく愛するメンバーのブログ

【『資本論』を読まずにはいられない!】『エンゲルス:マルクスに将軍と呼ばれた男』

こんにちは。readingsalonのブログ、共同執筆者の北澤です。今月はすっかり更新が遅くなってしまいました。すでに月末寄りなので、連荘に近い更新になりそうです(汗)


最近、少しはまっているものがあります。それは『資本論』です。もう少し前は『君主論』にはまっていました。自分の読書もだいぶ難しいほうに傾いてきたなと感心(笑)


なぜに『資本論』!? この本を読んでしまったからです。


トリストラム・ハント著、東郷えりか訳『エンゲルスマルクスに将軍と呼ばれた男』



マルクスエンゲルス。日本人ならこの組み合わせを知らない人はいないですよね。丸と円の語呂合わせでその「名前だけ」は見事に刷り込まれています(笑)教科書に書かれていたことは記憶に残っていません(汗)


常にカール・マルクスとともに語られるフリードリヒ・エンゲルス。四十年の長きに渡り、マルクスとその家族の生活を支え、マルクスの死後は生前刊行が叶わなかった『資本論』の第二巻と第三巻を完成させた人物。


本書を読むと、エンゲルスなくしてマルクスの名前は後世に残らなかったことがわかります。それ程、エンゲルスマルクスとその家族に対して献身的でした。盲目的なまでに。おかしいんじゃないかと思うくらいに。


時にはぶつかり、時には鼓舞して、マルクスの『資本論』執筆を支え続けたエンゲルス。これが執筆され、そして出版されることが肝心なのだ!と尻を叩きまくります。煮え切らないマルクスをたしなめる言葉が凄い。

君が考えている弱点など、あのロバどもには絶対に見つからない。それに不穏な時代になって、君が『資本論』を完成させる前に、すべてが中断させられたら、君にいったい何が残されるというのだ?


エンゲルスは、人類にはより威厳のある場所が存在すると確信していました。エンゲルスマルクスにとって資本主義がもたらした豊かさは、もっと公平な制度を通して分配されるべきものでした。それが現代では...


しかし、希望は潰えていません。もしもエンゲルスがいまの世に現れたならば、友人マルクスの見通しが実現することを再び予言するだろう。本書はそのように締め括られています。これはを読まずにはいられません。


こてんこてんの古典に当たる勇気を奮い立たせてくれる一冊です。こてんこてんになる覚悟で『資本論』に調整してみようと思います。まぁ、いきなりだと倒れそうなので、まずは佐藤優から始めているのですが(笑)